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会社のブログに書いたら即刻削除されたので、ここに再掲載します。
痔瘻と膝痛に悩む父親のために、ついに温水洗浄式便座を導入した。これがなかなか具合がよろしい。もう紙で拭く生活には戻れそうもない。
思えば温水洗浄式便座もずいぶん進歩したものだ。何といっても水流がマイルドで心地よい。
かつて市場に出た当初のウォシュレットを試用してみたことがあるが、これは酷かった。激しい水流が「カンチョー」と言わんばかりに肛門を貫き、「こんな無礼なもの使えるか」と憤慨して、それ以降は興味を失ってしまっていた。
温水洗浄式便座の操作パネルには、「ビデ」というボタンがある。しかも「おしり」や「乾燥」と等倍の大きさで、悩ましげなアイコンとともに、わざわざピンク色に着色されていたりするものだから、大層よく目立つ。
これほど目立つボタンだから、男性であっても思わず押してみたくなるのではないか? 最新式のマイルドな水流であれば平気だが、昔のタイプなら気をつけたい。鋭い水流が局部を直撃し、「いてー」と慌てた拍子に水流が便器の外に噴出して、周囲を水浸しにしてしまうのである。
ところで世のお母さん方は、子どもに「ビデてなにー?」と聞かれた場合、どのように答えているのだろうか?
本来、日本人的な感覚からすれば、ビデボタンは操作パネルのフタの奥にひっそりと小さく存在してしかるべきものである。
思うに温水洗浄式便座というものが、アメリカからの輸入によってスタートしたために、ボタンの配置もアメリカ式そのままに現在に至っているのではなかろうか?
日本人女性は本当にビデを使っているのか? ふと疑問に思って知りあいの女性に聞いてみたら、「生理の時に使うことがある」とのことだった。これは俺が考える本来の使用法とは距離があるような気がする。
そういえば俺がむかし住んでたアパートのトイレに、いつのまにか水飲み用のボトルみたいなのが置きっぱなしにされていたことがあったが、さてはあれは携帯用のビデであったか。
適切な訳語が存在しないことからも分かるとおり、もともと日本にはビデなるものはなかった。日本におけるビデの普及は80年代以降。温水洗浄式便座の普及と足並みを揃える。
僕が初めてビデを見たのは18歳の時だった。
ヨーロッパのホテルに泊まると、それがどんな安宿であろうと、部屋には必ずビデが設置されている。洋式便器のフタと便座を省略したような形状をしており、背中側に蛇口がついていた。鶴首のような形状の蛇口もあったし、短い蛇口が斜め前方に向かってついているのもあった。
当初は使用法が分からず、小便をしてみたり、足を洗ってみたり、靴下やパンツを洗濯してみたり、好き放題に活用していたものである。
ビデの本来の使用法を知ったのはパリにいたときのことだ。
パリでは、たまたま現地で知り合ったアランというマダガスカル人のアパートメントに泊めてもらった。リヨン駅のすぐ南側という最高の立地条件だったので、そのまま一ヶ月ほどやっかいになることにした。
アランのルームメイトに、エリックというフランス人がいた。このエリックがある時パートナーを連れて帰ってきて、紹介もそこそこに自分の部屋に入っていってしまった。
しばらくして俺がトイレで大便をしていると、エリックが入ってきた。欧米人の羞恥心というのは、日本人のそれとずいぶん違っていて、こうしたシチュエーションでも「ハイ」などと言いつつ平気で入ってくる。エリックはおもむろにビデにまたがると、チンコを洗い出した。
なるほど。洋式便器とは逆向きにまたがるのかと、そのとき初めて知った。ただしその時点での僕の理解は、ビデとは「セックスの後チンコを洗うもの」であった。
なので今の温水洗浄式便座のビデ機能には合点がいかない。あれではチンコは洗えぬし、そもそもアイコンのデザインからして女性専用仕様である。
そこでTOTOさんに提案。チンコも洗えるようにしてはどうか。
話はまだある。
アランのアパートメントは人の出入りが激しい。
あるときドイツ人女性が二人、しばらくここに滞在することになった。
ひとりは神経質な痩身の中年女性で、マリオンといった。もうひとりはロズビターというポッチャリとした若い女性である。
この二人はレズビアンだった。
なぜ分かったかというと、部屋の扉を開けたまま行為に及んでいたからである。たまたま彼女らの部屋の前を通り過ぎたときに見えてしまったのだ。というより夜中あまりに大きな声を出すものだから、目が覚めて様子を伺いにいったのだった。言い訳になるかどうか分からんが、僕は当時18歳なのだ。
彼女たちは毎日のように大きな声を出していたように思う。
僕がビデボタンに過剰に反応するのは、10代の頃にこのような経験をしたからなのかもしれない。
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