ユーラシア大陸横断の旅
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ベルニサッシ
2005. 0324-0329
マトリョーシカを探して
ベルニサッシはモスクワで有名な常設のオープンマーケットだ。市内から少し外れたイズマイロフ公園の近くにある。地下鉄で出かけよう。ここにはマトリョーシカシャープカなど、ロシアの典型的なオミヤゲ屋が軒をつらねている。
基本的に観光客向けの施設であるので、ロシア木造建築を模したつくりのテーマパークになっており、雰囲気がある。入口には民族衣装のお姉さんがいて入場料を取る。せちがらいのう。カネを取るにもかかわらず、中にはいると道がドロドロにぬかるんでいて、水たまりさえある。これが北欧なら、砂をまいて整備してあるものだが、さすがロシア、そのような些事には構わぬらしい。こういった観光客に媚びを売らぬ姿勢は非常に清々しい。
地下鉄の駅を出たときは、ものすごい人の数だったのだが、ベルニサッシの中に入ると、あまり人がおらん。平日であるからか、シーズンオフであるからか、店舗のアキが目立つ。奥の方はカラッポだ。どうもあの人たちは、周囲の衣料品マーケットが目当てらしい。
日本的な感覚からすれば、こうした観光客向け施設の土産物屋は高いと相場は決まっている。そう思って、試しにマトリョーシカのキーホルダーを買ってみた。値引き交渉の末、5個で1個が数十円程度。余所で買うより安い。どうやら安心してよさそうだ。ではホンモノのマトリョーシカを探すとしよう。

ひととおり見て回ったが、デキの良いマトリョーシカというのは案外少ないものだ。塗りが荒かったり、ちっとも可愛くなかったり、よく見ると不気味だったりして、なかなか手頃な値段でこれというのが見つからない。日本のネット通販で見かけるのは、5ピースかせいぜい10ピース程度のものが多い。値段が手頃だからだろうが、こういうのは安っぽい。マトリョーシカというものは、最後のピースが米粒のようでなければつまらない。すると最低でも15ピースは必要となる。
ベルニサッシの売り子たちは、さすがに観光客ずれしていて少々うざったい。とはいえ、子どもがシャープカをかぶせようとしてくるぐらいのことで大したことはない。イスタンブールのバザールのことを思えば、活気がなくて淋しいぐらいだ。売り子もいちおうは声をかけてはくるのだが、「後で」と言うとすぐ解放してくれる。これが華僑だとなかなか離してくれないものだが、まだまだロシア人は商売っ気がない。というより、これまでロシアで商業が発達した歴史はあるのだろうか?

人通りの少ない外れた場所に、英語の達者な兄ちゃんがいて、マトリョーシカを売ってた。小型のダルマのような形をしたもので、いわゆるスタンダードなマトリョーシカではないのだが、塗りが丁寧で表情もよい。「いいね、いくらだい?」ロシア語で訊いたら、「英語とロシア語とどっちで答えて欲しいんだい?」だって。そりゃそうだ。じゃあ英語で頼もう。パカパカ中身を開けながら、詳しく説明しはじめた。最後はこんなに小っちゃいんだよ、と豆粒ほどのをつまんで見せる。うーん欲しいが値段がな…。やっぱり相応の価格なので、決断にちと時間がかかる。
しばらく悩んだあげく、「他のを見てくる。また戻ってくるよ」と言って、店を離れようとした。ちぇっ、大抵こう言うと、少しは値段を下げるよって言ってくるもんなんだが、引きとめすらしない。どうも調子くるうな、ロシア人って…。
ほかのを見ても、さっきの兄ちゃんとこほど出来の良いのはないので、結局戻ってきた。「おまえんとこのが一番デキいいよ、2個買うから安くしてよ…」というわけで、赤と青の2色を購入。緑や紫のもあったが、やっぱりマトリョーシカは赤か青でしょう。


      ベルニサッシで購入したマトリョーシカ。最後の豆粒みたいなヤツがたまらんかわいい。このチビっちゃいのが入ってないマトリョーシカは、マトリョーシカとは言えないと思う。15ピース。開けるとしまうのがとてもめんどくさい。日本に持って帰ってくると、湿気で開けにくくなるのだ。  


モスクワの地下鉄
モスクワでは地下鉄網が充実していて便利。ぜひとも乗りこなそう。
これまでいろんな国の地下鉄を利用したが、唯一迷ったのは東京の地下鉄だけ。路線図を見ただけで気が狂いそうになる。都営だとか営団だとかって何だ。何で改札出なけりゃ乗継ぎできないんだ?
それに比べれば、モスクワの地下鉄の何と分かりやすいことよ。唯一難点といえば、中心部にある駅が異様なほど地下深くにあることぐらいだ。しかし大丈夫。エスカレーターは日本の2倍ぐらいの速度で動いているし、角度も急だ。上から見ていると、深いなあ急だなあと思うが、降りきるまでにそれほど時間は感じさせない。駅の豪華な装飾に見とれているうちに、ホームへ辿り着くことだろう。
駅の装飾はそれぞれ個性的で豪奢だ。写真を撮りたかったが、他の誰かがフラッシュを光らせた途端、監視員の怒声が聞えてきた。どうもまだ地下鉄の撮影は難しそうだ。警察官や軍人もたくさんいるので、やめておいたほうが無難だろう。


      モスクワのメトロ10回券(ДесятиРазовыйБилет)。105ルーブルであった。
毎回買うのは面倒なので、この回数券を購入しておこう。窓口では英語は通じないので、「ヂェーシャチ、パジャールスタ」(10回の頂戴)と言って買おう。自動券売機もあるが、券売機で買うほうがよほど難しい。
 


モスクワの地下鉄は、乗車距離に関係なく、駅の改札に入ってから出るまでが1回分の料金となる。
時間帯にもよるが、概して非常に混雑している。人口でいえば東京に引けを取らないほどだから、東京の地下鉄なみだろう。だが駅構内が広いのでまだマシだといえる。
かつては企業の広告などなかったのだろうが、今では構内も車内も広告だらけだ。韓国企業の携帯電話の広告が目立つ。そういえば赤の広場からモスクワ川の方を眺めると、LGだかSAMSUNGだかのでかい看板が見えた。ロシア文字の看板なら、さほど気にならないのだろうが、韓国企業の看板では…。せっかくの雰囲気が台無しだ。
車内のアナウンスは、はっきりしてて分かりやすい。ロシア語は英語などと比べると、母音中心の言語なので、とても聞き取りやすいのだ。さらにロシア語は発音と綴りが一致しているので、知らない地名でも読み方は一応わかる。ロンドンの地下鉄などより、はるかに乗りこなしやすいのではないかと思ってしまう。
だたし地下鉄の車両はかなりボロい。走ると扉がバタバタいっている。ホームと列車の間は広く空いている場合もあって危険。しかもトビラが完全に閉まる前に発車し、完全に止まる前に扉が開き出すので、十分注意しよう。
 
 
 

マトリョーシカ(Матрёшка
ロシアの代表的な民芸品。木製で、胴体部分で分割でき、少し小さい人形が次々と中から出てくる入れ子構造の人形である。人形には女性の姿が描かれており、一般的なロシア女性の名前・マトリョーニャが名称の由来。大統領や有名人が描かれたものなど、各種バリエーションもある。 1900年のパリ万博に出品されたのを機会に広く知られるようになった。19世紀末、箱根にあったロシア正教会の避暑館にやってきたロシア人修道士が、本国への土産に持ち帰った箱根細工の入れ子人形がマトリョーシカのもとになったといわれている。

シャープカ(шапка
ツバなしの帽子の一般的な呼称。ツバありの場合はシリャーパという。ここでは日本人が一般的にイメージする毛皮のフサフサした帽子の意味に限定して使っている。メーテルがかぶっているアレである。最近流行らないらしく、若い人は毛糸の帽子をかぶっていることが多い。女性用と男性用は厳密に区別されており、間違ってかぶっていると変な目でみられるので注意。

東京の地下鉄
営団地下鉄(現東京メトロ)と都営地下鉄の乗り継ぎで改札をいったん出なければならなかったりして、とてもややこしい。そのため、そのまま外に出てしまい、迷子になることがよくあった。

 
 
 
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