潜水艦C-56博物館
2005. 0315-0316
金角湾
ウラジオストク駅の隣にある客船ターミナルの屋上から、港の様子がよく見える。太平洋艦隊本部前の港に並ぶ幾艘もの軍艦は圧巻である。
忙しげに荷下ろししているのは貨物船だ。積荷は中古の日本車。ロシアでは輸入車税が何度か上がっているらしいが、それでも続々と運ばれてくる。中古車といっても、いわゆるダメージカーと呼ばれる程度の悪いものも多く、フロントガラスが割れ、ボンネットがひん曲がっているクルマさえあった。日本では中古車市場に流せない、あるいは価値がつかないクルマが、ここウラジオストクまで運ばれてくるのだろう。当然、 ウラジオストク市内を走るクルマのほとんどが日本車である。
どう見ても小学生にしか思えぬ子どもがタバコをくわえながら、火を貸してくれとやってきた。 タバコをせびられぬだけマシか…と考える。
新潟や札幌からきている貨物船は、日本の中古車を満載している。RV車が人気なのがわかる。
ウラジオストクは太平洋沿岸の重要港湾施設だ。
ロシア太平洋艦隊
の司令部も置かれている。
クラースニー ビムピエル号。ソビエト連邦太平洋艦隊初の軍艦。1923年から1958年まで活躍した。
かつては内部を見学できたらしいのだが、現在は立入禁止。
潜水艦C-56博物館
ソビエト海軍の潜水艦保有数は、第2次大戦開戦時130隻を数え、世界最大の潜水艦保有国だった。そのうち太平洋艦隊に配備されていたのは65隻。ただし性能の悪さと、運用面での不手際から、目立った成果をあげることなく、終戦時までにその大半を失っている。現在は博物館となっているこのC-56はそのなかで生き残った艦のひとつだ。シュチューカ型の中型潜水艦だろうか。艦橋は流水型ではないが、前後に機関砲が配置されている。艦内は魚雷と雑魚寝といった感じ。時代を感じさせる居住性の悪さだ。
中国人の団体客がやってきた。ウラジオストクには観光の目玉となるようなものが少ないので、こんなところにも団体客がやってくる。まあしかしとにかくうるさい。彼らにはロシア娘のガイドがついていたが、もううんざりといった様子で、相手がいようがいまいがおかまいなしに、説明をはじめだす。もちろん誰も聴いていないので、途中で打ち切ってさっさと出て行ってしまった。
ロシア極東では人口減少が問題になっているが、代わって中国人の進出が著しい。ロシア極東経済は、中国人抜きには成り立たないのが実情だが、不法移民も年々増加しており、密輸などの犯罪の増加にもつながっている。したがってロシア人の中国人に対する感情は余り芳しいものではない。
博物館内は、若い兵士が警備にあたっている。制服がかっこいい。私は小心者なので、断りもなく他人にカメラを向けることができない。いちいち断りを入れると記念写真みたいなのしか撮れないのだが仕方ない。「写真を撮ってもいいですか?」とロシア語で訊いてみる。すかさず「何人だ?」と反問された。中国人でなければいいということか? さっきの騒ぎの後だから仕方ないといえば仕方ないか…。
潜水艦の出口では、旧ソビエト時代のバッジや切手を売ってるおじさんがいた。レーニンがいたるところで売られていて悲しい。
潜水艦C-56博物館。緑の艦底塗料は毒性が強い公害物質らしいが、さすがロシア。そんなことにはおかまいなしだ。緑には触らないほうがよい。
潜水艦C-56博物館内部。若い兵士が警備にあたっている。背景に写っているのは、魚雷発射管。
潜水艦C-56博物館の背後にあるレリーフ。最近作られたように見えますが、詳細は調査中。
ニコライ2世凱旋門。シベリア鉄道起工式のために、ニコライ2世がウラジオストクを訪れることを記念して作られたもの。ロシア革命の際に破壊されていたため、現在建っているのは2003年に復元されたものだ。
ロシア太平洋艦隊
太平洋艦隊は4艦隊(北洋艦隊・バルチック艦隊・太平洋艦隊・黒海艦隊)の中で最大の行動海域をもち、戦時には、中国ほかアメリカとその同盟国と対峙することになる。平時の責務は、太平洋全域におよぶ作戦行動を含み、かつては南シナ海やインド洋にも艦艇を派遣していた。
艦隊の主要任務はシベリア沿岸の防衛であり、戦時には日本海・オホーツク海・カムチャッカ海域の制海権を確保し、陸上基地航空機の支援の下に沿岸沖数百里において海洋阻止作戦を実施することが想定されるほか、宗谷海峡などへの水陸両用作戦も想定されていた。
ロシアの太平洋沿岸はヨーロッパ側沿岸に比べ、外洋に対してより直接的な出入口を与えている。そのため、北洋艦隊と共に原子力弾道ミサイル潜水艦SSBNが配備されており、これらを展開させることも艦隊の重要任務となっている。
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